⚡ くらしのインフラ 社会科見学

電気とガスの仕組み大百科

発電所・変電所・LNG基地・ガス導管・再生可能エネルギー ── 家庭に届くまでの5つの現場

スイッチひとつでつく電気、ひねればつくガス。その先には何がある?
毎日使う電気とガス。当たり前すぎて意識しないけれど、その裏では「発電所で電気をつくる」「変電所で電圧を調整する」「海外からLNGを運んでガスにする」「導管で各家庭へ届ける」という、いくつもの巨大な仕組みが24時間休まず動いている。

実際に見学できる?
このページで紹介する仕組みは、どれも実在の施設で見学できるものばかり。レキサクでは各施設にタグを付けており、このページから直接そのスポットページへ行ける。

⚡ 電気の旅

発電所でつくられた電気は、超高圧の送電線で運ばれ、変電所で少しずつ電圧を下げながら各家庭のコンセントまで届く。

🔥 ガスの旅

海外から運ばれた天然ガスはLNG基地で受け入れられ、気体に戻された後ガス導管を通って各家庭のガス栓まで届く。

🌱 これからのエネルギー

太陽光・風力・水力などの再生可能エネルギーは、化石燃料に頼らない発電方法として年々比率を高めている。

⚡ 電気のインフラ(2つ)
電気のインフラ
🏭
01
発電所
火力・原子力・水力タービン発電
燃料や水・熱の力でタービンを回し、電気をつくり出す施設。日本の電源構成はLNG火力が最大で、再エネの比率も年々上昇している。
電気のインフラ
🗼
02
変電所
電圧調整送電〜配電
発電所から届いた超高圧の電気を、送電のたびに少しずつ電圧を下げ、最終的に家庭で使える100Vにする施設。
🔥 ガス・次世代エネルギーのインフラ(3つ)
🚢
03
LNG基地
LNGタンカー気化
海外から液化天然ガス(LNG)をタンカーで受け入れ、貯蔵・気化して都市ガスの原料にする施設。日本は世界有数のLNG輸入国。
🔥
04
ガス導管
導管網付臭・減圧
ガスに匂いを付け、圧力を段階的に下げながら地下の導管で街じゅうに送り、各家庭のガス栓まで届ける仕組み。
🌱
05
再生可能エネルギー
太陽光・風力FIT制度
太陽光・風力・水力・地熱・バイオマスなど、枯渇しない自然の力を電気に変える発電方法。脱炭素社会のカギを握る。
🔍 各インフラの仕組み
🏭
01 ── 電気のインフラ
発電所
燃料や水・熱の力でタービンを回し、電気をつくる施設
火力原子力水力
🏭 仕組みのステップ
①燃焼・核分裂・落水(LNGや石炭を燃やす/原子燃料を核分裂させる/ダムの水を落とす、いずれかの方法で熱や運動エネルギーを得る)→ ②ボイラーで蒸気を発生(水力は不要)→ ③タービンを回転④発電機で電気に変換⑤超高圧に昇圧して送電線へ送り出す。
📊 日本の電源構成
日本初の発電所は1887年(明治20年)、東京電燈が日本橋茅場町に設置。当初の需要家はわずか85件だった。現在はLNG火力が最大の電源で、石炭火力・再生可能エネルギー・原子力が続く。
🔬 見えてくる工夫
火力発電では、タービンを回した後の廃熱で再びお湯を沸かして発電効率を高める「コンバインドサイクル発電」が主流になりつつある。原子力発電所は2011年の東日本大震災・福島第一原発事故以降、安全対策の強化と再稼働の是非が大きな社会的テーマになっている。
発電の流れ
燃焼・核分裂・落水→タービン→発電機
日本初の発電所
1887年(東京電燈)
最大の電源
LNG火力
主な発電方式
火力・原子力・水力・再エネ
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🗼
02 ── 電気のインフラ
変電所
超高圧の電気を、少しずつ家庭で使える電圧まで下げる施設
送電配電電圧変換
🗼 仕組みのステップ
①発電所で作られた電気は数十万ボルトという超高圧に昇圧され送電線(鉄塔)で運ばれる → ②一次変電所で電圧を下げる → ③中間変電所・配電用変電所で段階的にさらに下げる → ④配電線を通り、電柱の柱上変圧器で最終的に100V・200Vにして家庭のコンセントへ。
⚡ なぜ超高圧で送るのか
同じ電力を送るなら、電圧を高くするほど電線を流れる電流を小さくでき、送電中の電力ロス(熱として失われる分)を大幅に減らせる。長距離を送るほど高い電圧が使われ、都市部に近づくにつれて変電所を経由しながら段階的に下げられていく。
🏙️ 地下にもある変電所
都市部では地上に用地を確保しにくいため、ビルの地下に建設される「地下型変電所」も増えている。ふだん目にすることはないが、電気の科学館のような展示施設では、発電から家庭に届くまでの送配電の仕組みをまとめて学ぶことができる。
送電の流れ
発電所→送電線→変電所→配電線→家庭
送電電圧の目安
数十万V→数千V→100/200V
高電圧にする理由
送電ロスの低減
都市部の工夫
地下型変電所
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03 ── ガスのインフラ
LNG基地
海外から届く天然ガスを受け入れ、都市ガスの原料にする施設
LNGタンカー貯蔵タンク気化
🚢 仕組みのステップ
①液化(海外のガス田で天然ガスをマイナス162℃まで冷やし、体積を約1/600に圧縮して液体にする)→ ②LNGタンカーで輸送③LNG基地で受入・貯蔵(巨大な低温タンクに保管)→ ④気化器で温めて気体に戻す→ ガス導管網へ送り出す。
🌏 日本は世界有数のLNG輸入国
天然ガスは気体のままだと体積が大きすぎて船で運べないため、液化して体積を小さくしてから輸送する。日本はエネルギー資源のほとんどを輸入に頼っており、LNGの輸入量は世界でもトップクラス。都市ガスはほぼ全国でLNGを原料としている。
❄️ 冷たさも無駄にしない
気化の際に放出される冷熱を、隣接する冷凍・冷蔵倉庫や液化空気製造などに再利用する取り組みも進んでいる。基地の巨大な球形・円筒形タンクは、見学ツアーの目玉になっている施設も多い。
受入の流れ
液化→輸送→貯蔵→気化→導管網
液化の温度
マイナス162℃
液化時の体積
気体の約1/600
日本の立ち位置
世界有数のLNG輸入国
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🔥
04 ── ガスのインフラ
ガス導管
匂いを付け、圧力を調整しながら各家庭のガス栓まで届ける仕組み
付臭減圧導管網
🔥 仕組みのステップ
①熱量調整・付臭(LNG基地で気化したガスの発熱量を調整し、本来無臭のガスに漏れをすぐ気づけるよう独特の匂いを付ける)→ ②高圧導管で都市部まで送る → ③ガバナ(整圧器)で中圧・低圧へ段階的に減圧④家庭のガスメーターを経てコンロ・給湯器へ。
👃 なぜ匂いを付けるのか
天然ガスそのものは無味無臭で、漏れても気づきにくい。そこで「ガス漏れ特有のあの匂い」をあえて添加し、微量の漏れでも人が異変にすぐ気づけるようにしている。導管は地震などの災害に備え、揺れを感知すると自動的にガスを止める「マイコンメーター」が各家庭に設置されている。
🏘️ 都市ガスとLPガスの違い
地下の導管網で送られる「都市ガス」に対し、導管が届かない地域ではボンベで各戸に配送する「LPガス(プロパンガス)」が使われる。全国で見ると都市ガスの普及地域は都市部中心で、地方ではLPガスも広く利用されている。
供給の流れ
熱量調整・付臭→高圧→中低圧→家庭
匂いを付ける理由
ガス漏れの早期発見
災害対策
マイコンメーターで自動遮断
導管が届かない地域
LPガス(ボンベ配送)
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🌱
05 ── 次世代のエネルギー
再生可能エネルギー
太陽光・風力・水力など、枯渇しない自然の力で電気をつくる方法
太陽光風力地熱・バイオマス
🌱 主な種類
太陽光発電(パネルで光を直接電気に変換)・風力発電(風の力で風車を回す)・水力発電(ダムや河川の水を落とす)・地熱発電(地中の蒸気でタービンを回す)・バイオマス発電(木くずや家畜ふん尿などを燃やす)が代表的な再生可能エネルギー。
📈 比率は年々上昇中
日本の電源に占める再生可能エネルギーの比率は2023年度に約22%まで上昇した。2012年に始まった「FIT制度(固定価格買取制度)」で発電した電気を電力会社が一定価格で買い取る仕組みが整い、太陽光発電を中心に急速に普及した。
🔋 課題は天候まかせの出力
太陽光・風力は天候によって発電量が変動するため、電力を安定供給するには蓄電池や揚水発電(電気が余る時間帯に水をくみ上げ、必要な時に落として発電する仕組み)との組み合わせが欠かせない。
主な種類
太陽光・風力・水力・地熱・バイオマス
再エネ比率
2023年度 約22%
普及の制度
FIT制度(2012年〜)
課題
出力の変動と蓄電
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📜 番外編:石炭が支えた近代日本のエネルギー

今の発電所の原点をたどると、明治〜昭和の石炭産業に行き着く。かつて北海道・夕張は日本有数の炭鉱地帯として栄え、掘り出された石炭は火力発電や製鉄など、日本の近代化・高度経済成長を燃料として支えた。その歴史は夕張市石炭博物館で詳しく学べる。